■ 衆議院選挙報道の破綻

Date: 2003-11-10 (Mon)

 昨日の夜8時頃から午前3時頃まで、事務所で選挙の開票速報を見ていた。気になったのは、NHKを除く民放各局が、選挙報道を「お遊び」と捉えている点だ。そのお遊び感覚以上に酷かったのが、選挙速報当初からの民主党圧勝報道だろう。局のキャスターから岡田幹事長に、ことさら「200議席獲得も夢ではなくなりましたね」的発言がぽんぽん出る始末だ。

 TBSの筑紫哲也や未明から朝日に出ていた田原総一郎は、公明党の姿勢や公約が自民党よりは民主党に近い、と言いながら民主党と組む気はないのか、いや、むしろその方がいいだろうなどと宣いはじめる。

 これにはさすがに、公明党の出演者も「与党として戦った結果ですから」と言っていた。

 今回の選挙報道ほど民主党に偏った報道は、今までなかったと思う。

 まず、ヤフーの投票サイト上で行われた自民党と民主党など、各政党の支持率調査で、民主党が約60%、自民党が約20%という結果を共同通信がおかしいとも思わずに配信したこと。これには後日談があり、その後、ネット内でおかしいというスレが立ちだし、保守党への投票呼びかけが行われ、保守党の支持率が20%になった。すると共同通信は手の平を返したように、サイトでの投票に妨害という見出しで、またも記事を配信する。それなら、その前の自民党と民主党の支持率がおかしいとは思わないのか。その後、ヤフーの投票サイト自体が閉鎖される。そして、この投票サイトは菅直人のホームページにリンクが貼られていた代物である。

 さらに、投票前の火曜日のニュースステーションでは、民主党が発表した内閣の閣僚をスタジオに呼び、30分間その報道一色で埋めた。その後に自民党などを放送する予定だったと昨日の段階で言い訳していたが、選挙期間中のことである。少なくとも報道人であるなら、その後に全政党の幹部が出て話すことができないと分かった時点で企画は取りやめるべきだろう。

 今回の選挙は「政権選択選挙」「マニフェスト選挙」などと呼ばれていたが、実質は前者であり、後者ではない。その意味からすれば、与党で絶対安定多数を取っているのだから与党が国民の負託に応え、それを国民が支持したということに他ならない。

 いつまで経っても、お経のようにお題目として「護憲」を唱えている社民党と共産党が惨敗し、その議席が民主党に行っただけ、というところに今回の選挙の本質がある。確かに民主党は前回選挙より40議席増やしたが、自由党分を減らすと28議席増、そして共産党と社民党の議席減が両党で23議席、与党側の保守新党の減が5議席、これらを合計すると今回の民主党の実質的増である28議席にぴったりと合う。

 今日の朝刊各紙にもおかしなところは多々ある。一番大きな問題は、無所属13議席の扱いが各紙バラバラという点である。

 無所属とは言え、選挙後は自民党に入ったり、保守系で活躍する人も多い。無所属を与党側か野党側かで分ければ、与党側9議席、野党側4議席の配分となる。にもかかわらず、毎日新聞は与党275、野党など205と一面で報道している。これが意図的なミスリードであるか、無所属候補への取材ができていない結果なのかは分からないが、毎日新聞の読者は他紙とは違う選挙結果を見ることになっている。

 これは面白いことに、与党側と思われている読売新聞でもそうなっている。しかも読売はご丁寧にも与党275の横に−12、野党など205の横に+17と報道している。朝日は与党275、野党193、無所属12と一面に報道している。このあたり、さすがに朝日は上手い。

 産経はより具体的に与党284、野党196としている。これが一番事実に即している報道となる。

 僕も日本に二大政党制が根付けばいいと思っている一人だが、今の民主党では心許ない。なぜか。一番大きな問題は今回避けられていたように思う。憲法の改正以前の問題として政権を担おうとする党の党首が靖国神社に参らないと確約したり、無宗教の共同墓園を設置する運動に荷担しているなど、いただけない。いい加減に70年安保世代の呪縛から日本を解放すべきだ。その始まりが今回の社民党と共産党の凋落である。

 民主党が「国」という意味で党内をきちっとまとめ上げられない限り、次回の選挙でも政権奪取はできまい。国民はそれほどバカじゃない。

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