■ 第43回衆議院選挙を分析する

Date: 2003-11-13 (Thu)

 今回の選挙結果をマスコミに踊らされることなく、事実を冷静に分析し判断、決断してみよう。
 前回も書いたが、投票翌日の新聞紙面には驚かされた。「政権選択選挙」といわれていたのだから、与党が絶対安定多数を獲得した時点で与党勝利、有権者は現政権を支持したことになる。毎日新聞などは「自民後退」とまで一面トップで報じた。
 感覚的に流されてしまうと良くないので、具体的に数字で今回の選挙、特に民主党が第一党となった比例区で見てみたい。
 まず、前回の平成12年6月25日投票の選挙結果と今回を得票で比較してみる。
※今回の選挙データは産経新聞11月10日3面から、前回選挙データは連合のHPから抜粋した。

総選挙比例区得票数比較

平成12年6月25日

平成15年11月9日

自民党 1694万票 2066万票
民主党 2166万票 2210万票
(民1507万票+自659万票)
公明党 776万票 873万票
共産党 672万票 459万票
社民党 560万票 302万票
その他 116万票 ――
5984万票 5910万票


 これを見ただけでも、自民党の比例区での得票数が伸びているのが分かると思うが、より分かりやすくするために百分率で比較する。

総選挙比例区得票率比較
(百分比1000票以下四捨五入のため0.1%合わず)

平成12年6月25日 平成15年11月9日 増減
自民党 28.3% 35.0% +6.7%
民主党 36.2% 37.4% +1.2%
公明党 13.0% 14.8% +1.8%
共産党 11.2% 7.8% −3.4%
社民党 9.4% 5.1% −4.3%
その他 1.9% ―― −1.9%
共産以下を負け組として合計すると
負け組 22.5% 12.9% −9.6%


 表を見れば一目瞭然なのだが、比例区の得票増減ではマスコミの報道とは逆で民主党を抑えて自民党が支持を伸ばしているのである。それともう一つ大事なことは、ご存じのように比例区は党名記入であるから、公明党との選挙協力はあり得ない。純粋な自民党支持者が前回より372万票増えているのだ。それに対し、民主党は44万票増えただけである。増加分だけで勘案すると民主党の5倍の伸び率だ。

 浮動票が実際にどう動いたかを僕なりに分析すると、旧民主党支持者の中にも靖国問題や北朝鮮拉致問題で菅に対して快く思っていない支持層が離れ、自民党へ動いた。同時に旧自由党支持者は、民主党の横路などを筆頭とする旧社会党左派には死んでも投票しない。選挙区で旧自由党の候補者に投票しても、比例区では自民党に流れたと思われる。

 それに対し、共産党支持者と社民党支持者の中で拉致問題や憲法改正の部分で現実対応しなければという思いがもたげてきた。ただ、だからといってこの層は自民党に一足飛びには行かないので、選挙区や比例区で民主党へ流れたと思われる。社民党の一部は護憲部分で公明党に期待し、流れた公算が強い。

 実際、今回の民主党の比例区の得票数2210万票から自民党が前回より伸びた372万票を引いた1838万票に、共産党と社民党が減らした票数の和である471万票を足すと2309万票となる。そこから公明党が増えた分97万票の7割である68万票を単純に引くと2241万票。今回の総票数で減った分、74万票を比例配分して28万票引くと2213万票となる。実数との差である3万票は無所属などへの死票と考えれば、理解できる。

 これらから言えることは、国民は2大政党制を志向しつつも政権交代には消極的であり、憲法問題に関しては護憲はもはや死語となりつつある、ということだろう。少なくとも政治的な勝者は、単体では公明党ということではないか。そして、政権選択という意味では与党が勝利した。マニフェスト選挙とお祭り騒ぎした民主党は、実際は与党を喰ったのではなく野党を喰った。蛇の尻尾呑みである。

 にもかかわらず、今週号のアエラと週刊朝日は凄い。前者の見出しは、

 

自民「敗北」 小泉「失脚」見えた

であり、後者は

 

総選挙 民主党大躍進
「小泉神話」終わった
民主党政権へ小泉「辞職」シナリオ

である。
 週刊朝日は選挙結果が分かってからの刷りだろう。報道機関としての良心と良識を疑わざるを得ない。
 もっと驚くのは、民主代表「マニフェストと内閣名簿、白紙に」という報道だ。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20031109AT3K0902X09112003.html
 選挙が終わればマニフェストも内閣名簿も白紙、と菅がコメントを発表している。こんな無責任なことをする政党が言っていた高速道路無料化などの提灯公約は、やはり野党だから言えたのかと疑いたくもなる。

 それと今後の政局で一番気になるのは公明党の動きだ。そろそろ、憲法第20条【信教の自由、国の宗教活動の禁止】の第1項 
「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」
を厳粛に受け止め、同党のレーゾンデートルを真摯に議論し、批判すべき時ではないか。
 このままでは、自民党の公明党化が避けられない状況となってくる。これだけは避けなければならない。
 憲法9条の問題や在日外国人(主に半島人)への参政権問題など、国の根幹を揺るがしかねない問題で自民党とは正反対である。特に後者は韓国での創価学会伸長を促す理由の一つとして使われている。また最近、同系列の月刊誌である『潮』や『第三文明』で、週刊新潮を筆頭にマスコミ批判が相次いで載せられている。しかも関西有名私大の共同通信出身の左翼的で、ある意味有名な教授が急先鋒となっている。敵の敵は味方なのだろう。
 どちらにしても、創価学会が宗教団体として多くの庶民を救うのに東奔西走していることには、信教の自由は保障されているのだから、とやかく言う気はない。ただし、これ以上、日本の国柄に関わることは止めてもらいたい。

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