| テレビでがんがんに報道されている今回の件だが、報道姿勢がどう考えてもおかしい。
報道カメララマンの郡山さんにしても、紛争地へ赴くと決めた時点で今回のようなことが当然起こることは覚悟しているはずだ。
僕がアフガニスタンのムジャヒディンに従軍取材していたときも、パキスタンで取材ステーションにしていた家人に、もしアフガニスタンで死亡したときは、できればパキスタン国内で交通事故で死んだことにしないと保険が降りないよな、と冗談ともつかぬ話をしていた。紛争地、戦地へ赴くと決めた時点で「覚悟」はできているはずだ。
また、個人でNGO活動をしている高遠さんにしても、既に34歳、プロ市民なのだし、紛争地へ出る時点で覚悟はできているはずだ。
気になるのはプロ市民予備軍の今井さんである。劣化ウラン弾についての講演を高校在学中から行い、卒業後知り合いの編集者や知人13人に相談し、NGO「NO!
小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」を設立し代表に収まったという。イラクへ行くと彼が言ったときに止められる大人はいなかったのか、と残念でならない。自衛隊の派遣反対を唱えるプロ市民の輩は、話題性があれば、18歳の子供も利用する。やってられないよ。
親も止めるべきだろう。親として紛争地へ出したからには、その時点でいない者と諦めるべきだ。それぐらいの覚悟がないのなら、18歳の遮眼帯の掛かった子供を紛争地などに出すべきではない。
外務省のイラクに対する渡航情報(危険情報)の発出(2004/03/19)●全土:「退避を勧告します」(継続)で続いている。
そうした事実を分かった上で行っているのだから、本心がどうであれ「覚悟」できていると見るべきだ。
政府も自衛隊の撤退はあり得ないといち早く明言した。まずは一安心である。少なくとも、ダッカハイジャック事件の時のように「人の命は地球より重い」などとのたまい、超法規的処置でまんまと犯人を逃すようなことだけはして欲しくない。
件の3人も国の考えに異を唱えることは一向に構わないが、実際にこんな事態になれば否応なく「日本人」として扱われることを自覚すべきだ。
さらに、仕事として行っている郡山さん以外は猛省を促したい。君達のせいでどれだけの人間が右往左往しないといけないか。
それと気になることがある。アルジャジーラが報道した映像を見ていると緊迫感や緊張感、脅威、恐怖のようなものが何も伝わってこない。「サラヤ・ムジャヒディン」と名乗る組織はこれまで一度も俎上に載ったことのない無名の組織で、背後関係などは一切不明なところも気になる。
こんなことはあってはならないことだが、うがった見方をすれば基本的に今回拘束された3人は自衛隊のイラク派遣に反対の立場を取る人たちである。出来レースでないことだけは切に願う。
普通、テロ組織は3人を拘束し、自衛隊の撤退を訴えるなら、まず一両日中にその要求に応えなければ1人を殺すか、足や腕の一本も切り取り、本当の脅しをかけてくる。3人を殺すと言うのは理解できない。
普通に話しながら、しかも3人の後ろに立っている組織の兵達がRPG7対戦車ロケット砲などをことさら見せているのが真実味を低下させる。
本当の脅しは、カラシニコフやトカレフなど一丁あれば事足りる。正座させ、こめかみに銃口を押し当てればいいだけだ。
そんな緊迫感が皆無の今回の拘束。本当に出来レースでないことだけを祈る。
また、福田官房長官の会見で「自衛隊は撤退するのですか」しか聞かない「記者」とは一体何なのだろうか。彼らが拘束されたのが自衛隊派遣があったからと言いたいのだろうか。テロは自衛隊を派遣しようがしまいが起こるときは起こる。
サマーワにある自衛隊の宿営地の自衛官に「撤退しますか」とインタビューしている記者もいる。文民統制の日本で何を答えろというのか。文民統制をことさら求めているのは当のマスコミだ。にも関わらず答えられないことを前提に質問をして、その場面を報道する。ミスリードを意図的に行っているのと変わらない。悪気なくやっているのなら救いようがない。
こんなことをやっているから、マスコミではなくマスゴミだと指弾されるのだ。
最後にもう一度だけ言っておこう。人の命は地球より重かったりはしない。もちろん、日本の国より重かったりもしない。覚悟して行ったからには、覚悟して静かに事実を淡々と運命として受け入れることだ。それが唯一、誠意を示せる行動だ。
明日の朝刊各紙の社説は見物である。
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