大手マスコミは何かを知らされている!? (1)

Date: 2004-04-12 (Mon)

 イラクの日本人拘束事件の報道が何かおかしい。日本人が3人も捕まっているのだから普通ならテレビは特番を組み、新聞は連日、書きまくるだろう。新聞休刊日でも現在は各紙ともネットがある。しかも、そのネットでボチボチ出だしているのは3人とその家族に対する批判記事だ。山形新聞は、治安が不安定な諸外国での活動経験が豊富な吉田庸一青年海外協力協会理事、桑山紀彦NPO法人地球のステージ代表理事=いずれも山形市在住を登場させて、実際に海外での経験者に3人を批判させている。

山形新聞 2004年4月12日 月曜日
イラク3邦人人質事件・県内2氏に聞く 
 外務省の渡航情報の中で最も危険度が高い「退避勧告」が出されているイラクに入国したボランティア活動家ら3邦人が、武装グループに人質にされた事件は、民間の国際協力活動における危機管理の在り方を再考させるきっかけとなった。治安が不安定な諸外国での活動経験が豊富な吉田庸一青年海外協力協会理事、桑山紀彦NPO法人地球のステージ代表理事=いずれも山形市在住=に、事件に対する考えなどを聞いた。

■気持ちだけ先行の感−吉田庸一さん
 「ボランティアは、相手方との気持ちが通じ合うことが一番大事」と吉田さん。これまで数多くの青年海外協力隊を世界に送り出してきた経験から「危険を承知で現地に向かった3人の行動は無謀で、一方的な感じがする。自己の安全管理を怠ったため、多くの人に迷惑をかける結果にもなった」と指摘する。

 民間人が海外で活動する場合、情報収集力、語学力、技術力が武器になり、青年海外協力隊の教育課程ではこの点を徹底して教え込むという。「決死の覚悟で戦地に向かった3人に、どれほどの"力"があったのか。世界各国の活動家と比べ、日本人は気持ちだけが先行して危機管理に甘過ぎる」と以前から感じていたという。

 イスラムやユダヤの問題には、そこで暮らす人でなければ決して理解できない根深い遺恨があることも見てきた。「善悪の判断が難しい場合も多く、相手社会のニーズを的確に把握しないと、支援や援助は、やり手も受け手も不幸を背負いかねない」「戦闘地域での活動には、それなりの専門機関があり、イラクのために何かをしたいとの善意は、ほかの分野で役立てられたはず」と、今回の事件を残念がる。

 一方で、国内外で支援活動に励みたいという若者の熱意を大切にしたいとの思いから「ボランティアで活躍する際は、第一に常識ある社会人であれ」と呼び掛ける。

 ◆吉田庸一さん 飲食店経営、青年海外協力協会理事、山形短大非常勤講師。1973(昭和48)年に青年海外協力隊員としてフィリピンで活動した実績がある。経験を生かし、アジアを中心に同協会の事業に従事。山形市在住。53歳。

■3人に謝罪求めたい−桑山紀彦さん
 桑山さんは「NGO活動は安全が確保されて初めて成り立つ。気持ちがあるからといって(現状のイラクで)護衛もつけずに乗合タクシーで移動するなんて安易過ぎる」と3人の行動を厳しく非難。「彼らの行為で『NGOの人間は皆無謀だ』とひとくくりにされてしまうのは残念。解放された時点で、きちんとした謝罪を求めたい」と憤りを隠さない。

 桑山さんたちが紛争地域で行動する場合、まずは危険情報の収集が中心。現地の国連機関の安全担当者と毎日ミーティングを行うほか、NGO同士でも情報の共有を図るという。「きちんとした情報収集と、集団による系統だった活動が原則であり、"いけいけ"的な雰囲気であってはならない。アンマンにも国連事務所があるわけで、十分に相談すべきだった」

 湾岸戦争直後のイラクに日本人医師として初めて入国し、緊急支援活動を行った経験などからイラク人の親日感情をよく理解しており、今回の事件でも解放の方向は予想できるという。「彼らは底抜けに日本人が好きで、私自身、一度もいやな目にあったことがない。幸いなことに、まだ民間レベルで日本人への敵意はなく、犯人グループがイラク人であれば、殺すはずはないと思っている。行動が過激なのはイラク人らしいが、人の道を大きく踏み外すことはない」

 ◆桑山紀彦さん 医師、NPO法人「地球のステージ」代表理事。世界各地で医療関係の非政府組織(NGO)活動に携わる。イラクをはじめ、アフガニスタン、ソマリア、パレスチナなど紛争地域での実務経験も豊富。山形市在住。40歳。

 産経新聞も今井さんが18歳だったことに言及し、彼を囲んでいた大人たちに丹念なインタビューを行っている。

平成16(2004)年4月11日[日] 産経新聞

イラク邦人人質事件 大人はなぜ止められなかった
18歳で単身乗り込んだ今井さん
「早く撤退を」政府に責任転嫁する声も

 イラク邦人人質事件の被害者のうち、今井紀明さん=札幌市=は今春、高校を卒業したばかりの十八歳だ。劣化ウラン弾に関心を示し、高三で「NO小型核兵器サッポロ・プロジェクト」という市民団体の代表に就いた。家族以外にも周りには同じ興味を持つたくさんの大人がいた。「退避勧告」が出ている危険地帯に、自らの意志で足を踏み入れた末、事件に遭遇した今井さんだが、彼を知る大人たちを取材すると、体を張るような引き留めはみられず、政府に責任を転嫁する声も聞かれた。周囲の大人が、結果的に未成年者のイラク入りを許してしまった「問題」も浮かんでくる。

 「『劣化ウラン弾の恐ろしさに関する分かりやすい絵本をつくりたい』といっていた。純粋な動機で行くのに、どうしてやめろと言えるでしょうか。『行くな』という気持ちと『がんばれ』という気持ちと半々でした」。上京中の今井さんの母、直子さん(51)は九日夜の記者会見で率直な心情を問われる質問にこう答えた。兄の洋介さん(23)も「本人も行くべきかどうか葛藤していた。私も行ってほしくない気持ちはあったが、やりたいことをやるのだから、反対できなかった」。

 今井さんは、劣化ウラン弾の廃絶を訴える活動で多くの大人と知り合いに。東京の弁護士、伊藤和子さん(37)は今月1日、イラク行きを打ち明けられていた。伊藤さんは平成10年に埼玉県立所沢高校で「日の丸・君が代」を拒絶する生徒が卒業式をボイコットして問題化した際に生徒側に立った弁護士だ。

 伊藤さんは「危険だからやめたほうがいい」と言葉をかけたが、今井さんは使命感を燃やしていたという。「気をつけて」と言葉をかけるのが精いっぱいだった。

 映画監督の鎌仲ひとみさん(45)は「イラクに行けば、劣化ウラン弾の被害にあうかもしれないと思って強く止めた。今井さんもしばらく考え込んでいた」。一方で「私だって反対したが結局止められなかった。そもそも、自衛隊が行くこと自体が間違っている」と、矛先を政府に向ける。

 今井さんは、劣化ウラン弾に関する撮影活動を続けているフォトジャーナリストの森住卓さん(53)にあこがれていた。バグダッドで合流する予定だった森住さんは10日に帰国、「今井さんのように危険を顧みず行動する若者がいるのだから、日本も捨てたものではない。一刻も早く自衛隊を撤退させるべきだ」とここでも矛先は政府に。「森住さんが誘拐されたら、政府にどうしてほしいか」との質問には「人命を最優先すること」とだけ答えた。

 今井さんが地元で代表を務める団体の世話人である大学非常勤講師(53)によると、今井さんが設立を言いだしたため、若くても代表になった。「新しい発想が必要で若い人にやらせよう」と、この講師のほか、今井さんの趣旨に賛同した出版社社長や弁護士ら十数人の大人が周囲を固めた。

 講師はイラクに行く今井さんに「気をつけていかないと危ないよ」と声をかけただけだった。大人は極力口を挟まない方針で、何かあったときは大人たちがカバーすることになっていたが、今回の一大事に大人ができることは署名運動という厳しい現実。

 団体に所属する出版社社長の日色無人さん(41)はイラク行きを引き留めたかどうかの質問には明言をさけ、「彼がイラクに行くのは運命だった」。弁護士の小坂祥司さん(46)は「子供が興味本意で行ったというふうにとらえてもらっては心外」と話すが、渡航の判断は今井さんに任せた。

 今井さんが所属している別の市民団体を運営する七尾寿子さん(51)は「今井さんの母親が『意志が固く、言うことを聞かない』と言っていたので、彼に声はかけなかったが、私も若かったら同じようにしていたかも」と、自分ができないことを今井さんに託したことをにじませた。

 中村敦夫参院議員(64)は出発前日の2日に劣化ウラン弾使用を禁止する議員連盟の設立要請を今井さんから受けた。「リスクが伴うのは承知で行くのだから、激励も止めもしなかった。今の事態を考えれば、個人的には心が痛む」と話した。
                  ◇
≪認識や想像力が欠如 評論家、塩田丸男さんの話≫

 「周囲の大人たちには民間人が人質にとられることによって、どのような事態になるのかという認識や想像力が欠けていたのではないか。自分自身やマスコミにも、そうした報道が十分だったかという反省点もあるが、事件は日本だけではなく世界的な問題になっている。政府の責任追及や自衛隊撤退を主張するだけではなく、そうした問題と人質事件を混同せず、別個の問題として冷静に対処していく必要がある」

 それに引き替え毎日新聞は、
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kyoto/news/20040410ddlk26040623000c.html

 こんな記事を書いて世論をミスリード !? させるつもりかもしれないが、そこまで読者はバカじゃない。ヤフーの掲示板で叩かれまくりだ。

 いくら何でも、緊急アンケート調査と銘打った記事のアンケート調査数が20人ではどうしようもあるまい。しかも、MSN毎日インタラクティブでのアンケート調査では自衛隊のイラク撤退反対が68%、撤退すべき29%、どちらとも言えないが2%というれっきとした調査があるのに、20人に聞いて撤退すべきが75%だと、笑わせてくれるよ。世論操作とも言えないほどの稚拙な記事だが、報道に携わる者は絶対にやってはいけないことだ。肝に銘じたい。

 また、天下の朝日新聞はasahi.comで『「激震情報」の発信源・アルジャジーラの編集現場を見る』という記事を載せている。
http://www2.asahi.com/special/jieitai/houjin/TKY200404120091.html

 どの新聞社にも緊迫感が漂うような記事が皆無である。何かマスコミだけが知っている情報があり、その情報が事件の解決を遅らせているように思う。

 事件が起こって最初に書いた「怒りの鉄筆、日本人三人バグダッドで拘束」の記事中で出来レースでないことを祈ると述べたが、嫌な予感がする。

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