前略 マスコミを目指す皆さん、もがいてますか? そんな方はどうぞ、この小さな事務所を一度、訪れてみてください。心の中のもやもやが一気に晴れるかもしれません。
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 2003年の夏、私はいつの間にか4回生になっていた。級友らは内定をもらい、大学最後の夏休みを謳歌している。一方、就職活動から逃げた私は、ただ漫然と卒業を迎えようとしている。大好きなセミの声にうんざりし、テレビの海水浴の映像にますます気分は落ち込んだ。

 友人の言葉を思い出した。「一度逃げた奴は、その後もずっと逃げ続ける」。このままじゃ、やばい。これ以上逃げたら、友達に会わす顔がない。それに何より一度きりの人生、自分の可能性を試してみなきゃ、もったいない。一年の堂々巡りを経て、私はようやく重い腰を上げた。

 マスコミ就職のための教室は片っ端からのぞいた。そんな時、ある一言が私に魔法をかけた。「お前は筆記さえ頑張ったらイケるから」。有頂天になった。「頑張ります。よ、よろしくお願いします」と、田村さんに食いつかんばかりの勢いで答えた。一年間、溜めに溜めたもやもやが雲散霧消していく。心に支えていたものが取れ、私は天にも昇る気分で家路についた。聞けば何でも私が帰った後、田村さんと岩城さんは「あいつ、今年は無理かな」と話していたそうだ。が、そんなこととは露知らず、私はすっかりやる気になっていた。「新聞記者になりたい」。胸を張って、そう言えるようになっていた。

 確かに、へこむ機会は幾らもあった。エントリーシートはことごとく玉砕し「今回は、ご縁がなかった」のメールも見飽きるほどもらった。誰にも会いたくない時はいつも、ペンの森に行った。励まされたり、叱られたり、ただ馬鹿話に笑ったり。「また、来ます」とエレベーターに向かう頃にはまた、やる気がふつふつと湧いてきた。

 就職活動は縁だ。神社にも足繁く通い、例年になく、お守りも買った。おかげで奇跡が起きた。第一志望の毎日新聞に内定したのだ。奇跡としか言いようがない。が、神様ありがとう、なんて私は言わない。田村さん、岩城さん、教室のみんなにこそ、心から「ありがとう」の言葉を贈りたい。就職活動中に出会った多くの人が私に力を与えてくれた。何気なく交わした言葉一つひとつが私に元気と自信と勇気を与えてくれた。彼らとの出会いこそ、就職活動がくれた縁だ。
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 あなたの人生にとって二つとない、大切な縁がきっと見つかる。永遠に続くかと思える内定までの茨の道にも、二度と味わえない貴重な瞬間がいっぱいあるはず。感動を分かち合える仲間をぜひ、見つけてください。

追伸:この教室で学ぶであろう皆さん、20年後には私たちと一緒に、田村さんの喜寿を祝う飲み会で、昔話に大輪の華を咲かせましょうね。そして記者、編集長、ディレクターとなって、たくさんのドラマで日本を彩りましょう。 草々

 

 


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