| 統一政府を築くための糸口はどこにあるのか
|
| それでは、こういったアフガニスタンのような国で行政を執行できる統一体をつくるためにはどうすれば良いか。 2001年から始まった暫定機構は2002年の緊急ロヤ・ジルガ(国民大会議)までの間、アフガニスタンの行政にあたる。その後、緊急ロヤ・ジルカで暫定政府が樹立され、正式なロヤ・ジルカで憲法を制定。総選挙による正式な政府の成立を目指すという。 しかし、選挙で国家体制を決めることが全ての国にとって一番良いことなのかどうかを、我々は考えてみるべきときに来ている。多数決が最大の公正と平等を打ち立てるものだという考えは、現在の世界の情況を見れば間違いであることは自明の理である。 アフガニスタンは現在、全国を31の州に区分している。小さいところもあれば、比較的大きな面積のところもある。その州単位ごとに代表者を出す規則を考え出さないとだめだろう。 例えばカンダハルから2人代表者を出す。ヘラートから2人出す、というように31の州すべてから2人ずつ代表者を出し、全議員62名で国の動きを決める。或いはもっと部族の小単位ごとで決めることも必要かも知れない。その場合は各州で4人とか、5人とかにしていけばよい。全議員数が120名、150名になるだけだ。 どちらにしても、部族の集合体としての合州国制で統一政府をつくること以外は無理だ。 その場合でも、国の法律がトライバルエリアの法律を上回るということは、恐らくできないだろう。だから国家としては緩やかな法律をつくり、それ以上の厳しいところはトライバルエリア、要するに部族社会に任せることが必要である。部族の掟を重視するという形でやらないと、各部族の共存はありえないのである。 地域の代表者をどのような方法で決めるかは、その地域の部族自身に決めさせることが最も重要である。そんなときに欧米先進国の民主主義などを持ち込んで、みんなで投票を行い「民主的」に決めましょう、などというと、またもや混乱を引き起こしかねない。民主的に投票されるかどうか、投票されたかどうかを見定めるため国連から監視団を派遣します、などと言い出したら、決まるものも決まらなくなるのは目に見えている。 そんなことはせず、アフガニスタンの固有の文化、伝統を尊重することが一番大事だ。 多数決、民主的選挙制度が必ず正しいわけではないことは、この日本に住んでいて実感できるはずだ。 |